時給の話に関連して

一昨日は時給について少し書きましたが、そういえば以前、関連した事件がありましたので、ご紹介します。
私が正社員として勤務していた頃の話です。
私の勤務する会社があるアプリの元のようなものを入手してきました。作成者は日本の企業ということになっていましたが、実はそこの社長さんが個人的に海外の知り合いに頼んで、その方のツテで海外の学生さん達が開発した、というようなアプリだったと思います。
それを元に、私の会社が、ある特定の業種の会社の、特定の業務でのみ使えるアプリを作りました。
私は、そのアプリをその業種の会社にご紹介し売り込む営業のような仕事になりました。

そのアプリを導入して下さるお客様には、各会社のご要望に沿って請負でオプション部分を作成し、その会社専用のアプリとして動作するようカスタマイズした上で導入しておりましたので、
アプリ代以外に、専用のカスタマイズ費用、開発費用のようなものをいただいておりました。

このシステムがある大手の会社に採用いただくことになりました。開発費用は××,×××,×××円という我が社にとっては大型契約となりました。

さて、このときに、お相手のご担当とシステムの内容について詳しく打ち合わせをする為の、我が社のリーダーを選出致しました。
私は、システムにある程度詳しい若手のホープAさんを推薦しました。

ここから半年以上に渡って、仕様決めの提案や打合せが続きます。この間Aさんの前でも、システム内容の話以外にも当然お金の話が何度もされます。

そのうちにこのAさんは色々なことに疑問を感じるようになります。
なぜ月に×,×××,×××円ももらっているのに僕の給料は×××,×××円なのでしょうか?と言い出したのです。

これ誰でも分かることですが、お客様からいただいた分を、目の前にいる我々だけで山分けしている訳ではありません。
Aさんが直接手にする給料以外にも、Aさんに使われているお金はたくさんあります。会社の施設、設備、福利厚生、分かりやすいところで言えば、Aさんが使うパソコンやプリンタや、Aさんの参加したがっていたシステム研修などの費用もそうですよ。インフルエンザの予防接種も会社でしましたよね。自分で全部支払ったらどうなるか考えてみてくださいよ。

さてさて、一人当たりに×,×××,×××円も出してくれる会社が世の中にはあるんだ、と大きな勘違いをしたAさん。我が社を辞めていかれました。
最後にお話したときは、
「僕にはもっと価値があることが、今回の仕事のオウさんの見積書を見て分かりました。オウさんありがとうございました。」
オウさんの見積もりのおかげって??
私がお客様に出した見積書の単価が即ちAさん自身の単価だと勘違いされたということでしょうか。
そんなアホな勘違いをする人がいるのでしょうか。

Aさんはこの半年後に猛烈に後悔した様子で現れるのですが、この話はまた後日。

ではまた。

時給の話

今のコールセンターは、フロアごとに部署が分かれていて、それぞれのフロアに、違う派遣会社からオペレーターが派遣されてきています。
これ、実は私すごく最近になって知ったことで、全員同じ派遣会社から来ているのかと思い込んでいたので、とても驚きました。
派遣会社同士なんていわゆる競合他社なので、いつも休憩室でお会いしてなんとなく仲良くなっていた顔見知りの社員の方に、まるで自分の派遣会社の社員さんに話すようにずっと話していたのに、実は別の派遣会社の社員さんと知って驚いた訳です。
お相手の社員さんのほうも、私があまりにフレンドリーに話しかけてきていたので、自分の会社で採用している人間だと思い込んでいたとのこと。
全く別の会社の社員と、派遣オペレーターの間柄だったと判明した時はお互いびっくりでした。

その方、男性の方ですが、転職でその派遣会社の社員さんになられたそうです。
転職する前は、ある公共機関で働いておられたのですが、結婚し子供が生まれた際に、ご自身は育児休暇はとらなかったものの、育児休暇を取った奥様のサポートの為に、少し有給休暇をまとめて取りたかったことが叶わず、職場の無理解に悩み、退職されたとのことでした。その後、取り急ぎ派遣会社に登録し、働きはじめたところ、見込まれて社員さんになったそうです。

いまどき公共機関で、男性に育児休暇を進めないどころか、出産前後の緊急事態に休暇を取らせてもらえないなんて、そんなことがあるのでしょうか。いったいどんな公共機関なのでしょうか。
とても気になりますが、彼は「県内の大きな公共機関ですよ」としか仰いませんでした。
例えば県庁?県庁職員なら、有給休暇どころか育児休暇を進められそうなものです。

ところで、その彼が仰るには、彼の所属する派遣会社は、この派遣先から結構な額を支払っていただいてるそうです。
そして、我々のような派遣オペレーターにその一部が時給として支払われるのです。

時給に対してどれくらいなんですか?と聞いたら、詳しいことは言えませんが倍くらいですよ。とのお答えでした。なるほど。
この件と似たようなことで、随分以前に思うことがありました。時給の意味を勘違いされて転職された後猛烈に後悔されたけれど後の祭りになっていた方がいらっしゃいましたので、後日お話させていただこうと思います。

さて、時給といえばその彼の会社の所属のオペレーターさんの時給と、私の時給は、なんと100円も違います。100円違えば1日800円。1週間5日間勤務で4000円。1ヶ月4週間として20000円。
どちらの派遣会社も交通費は別途支給です。
彼の派遣会社のほうが、私の派遣会社よりも、クライアントさんからの評価がきっと高いのでしょう。沢山いただけているから、沢山還元できているのではないか、と思っています。

フロアがかわると仕事の内容もかわりますが、それでも彼の会社から派遣されれば、1ヶ月20000円も支給が増えるなら、新しく仕事を覚えてもいいかな。という気がします。

派遣会社を移るというのは、良いのでしょうか、いけないのでしょうか。その辺り少し調査してみようと思います。

ではまた。

派遣全員に成績をつけること

今のコールセンターに派遣されて、驚いたことがあります。
かなり大型のコールセンターなのに、2人の担当社員の方が、数百人もいる我々オペレーターに様々な角度から成績をつけているのです。

契約時に成績の話は聞いていません。従って、その成績が、どんなことに利用されるのかも知りません。
唯一知っているのは、個人個人それぞれに還元される品質評価シートというものです。
この品質評価シートというのは、ある時突然個室に呼び出され、面談をしながら我々オペレーターに手渡されます。
そして、シートと録音を参考に、今後どのように電話応対の品質を向上させていったらよいのか、個人的に還元を受けるのです。

平たくいうと、自分が電話応対した中で、担当社員の方がとても気になったもの、すなわち失敗のような電話応対の、数件の録音を聞かされながら、
オウさんのこの場合の応対は、ここは良かったね、しかし、ここが悪いね。ここ、なんであんなふうな言い方しちゃったのかなぁ?これこれこういうふうに返事すればよかったじゃない?ほらここ、ここでもうお客様がイラっとしたのわからないかなぁ?残念だなぁ?
みたいな注意をひたすら30分くらい聞かされるのです。

全く気分の良いものではありませんが、仰ることは仰る通り、確かに後からよくよく考えれば違った対応があった筈なのです。次に同じ失敗をしないよう細心の注意を払うしかありません。今後の自分自身の品質向上に前向きに取り組むしかないのです。

それ以外にも、
オウさんの休憩時間は何分でした。
受信件数は8時間あたり25件です。
などなども。

ところで、そんなに色々調べたりしてデータを取っているなら、それを元に何か統計をとって、傾向を探り、コールセンターの品質向上に活用したらよいのではないかと思います。

例えば、
受電の際のNGワードを使用頻度の高い順に並べてみる。オペレーター側に、こういうワードを使っている人が多いようなので気をつけるように研修をする。
お客様のクレームが多かった内容をまとめて、注意点を周知する。 などなど。

今のコールセンターではこういったことがないので、個人的に経験を積み重ねていくか、休憩時間などにベテランさんに話しかけて情報を得る努力をするか、個人個人のそういった努力が必要です。
向上心の高いオペレーターは沢山いるので、日常茶飯事的に我々はそういった話をしています。

このように皆が個別でやっていることを、せっかくなのでまとめて教えていただけると有り難いなぁ、と常々思っています。

また、実はこの成績が、個人的還元以外に何か契約更新の際の資料としても活用さるのではないか、とモヤモヤと考えることもあります。
例えば、オウさんは敬語の適切利用の評価点が平均以下だったので次は時給が下がりますよ、というような。

さて、事情は全くわかりませんが、雇われている以上、言われた注意点は改善しなければなりません。
どんなコールセンターに行ったとしても共通のことですが、私が一番大切だと思っている注意点を紹介します。

とにかく気持ちを集中すること‼︎
これに尽きると思います。

声のトーンが少し低かったですね、とか、話を受け止めるタイミングが少し早くて、お客様によっては返事を被せてきたと不愉快に思われるかもしれませんよ、などと技術的な改善点について指摘を受けたら、そのことに集中してみる。考えてやるのと、考えずにやるのでは大違いです。考えてやっていれば、いずれそのスキルは身につきます。

技術的な指摘に対して集中する以外には、
お電話を下さったお客様の気持ちに集中すること。
お客様が、質問だろうとクレームだろうとご自身のペースでお話されたいだけ気持ちよく充分にお話ができるように、気持ちを集中して一生懸命お話を聞くこと、これに尽きます。お客様が納得して用件を終えられるようにするのが大切なのです。

コールセンターの仕事は、とにかく自分の気持ち次第だと思います。
お客様が何を仰りたいのか。何を知りたいのか、納得していらっしゃるのか。疑問点は残っていないのか。とにかく心を尽くしてお話を伺うことに尽きるのです。

話が逸れてきました。
日々朝から晩まで我々オペレーターの電話応対の録音を聞きながら、ひたすら評価シートを使って下さっている2名の社員の方に感謝します。

ではまた。

SVから好かれなくても会社に好かれる

細かな間違いが多く、いつもSVさんに注意されている、少しご高齢のオペレーターさんがいらっしゃいました。

こんな言い方もどうかと思いますが、
きっと少し頭の悪い方、なんだと思っていました。
もしかしたら、若年性痴呆症なのかも、と思ったことさえありました。

隣の席で、応対内容を聞いていると、ハラハラすることもあります。
お客様の電話番号の聞き間違いが多いこと。
必ず復唱する、というルールはきちんと守っていらっしゃるので、「03-1234-5678 でございますね」などと仰ってますが、実際手元でメモをとっているのは
「03-1234-4567」と、微妙に異なります。
通常我々オペレーターは、1人一台パソコンの前に座り、応答専用のシステムを立ち上げ、お客様が仰ったことなどを記録していきます。お客様が仰った電話番号も、一般的にはダイレクトにシステムに入力し、応対が終わった時には入力も終わっています。

ただし、どうしても入力の慣れない方、遅い方もいらっしゃるので、そういう方には念のため、メモ用紙とボールペンが渡されています。

この方、応対が終了して電話を切った後に入力をする、と独自ルールを決めていらっしゃるようで、何度SVさんから注意されても通話中にシステム入力することはありません。何度注意されても「はい、かしこまりました。」と神妙にお返事されていらっしゃるにもかかわらず、です。
若いSVさんが、裏で「あのばぁちゃんがさー使えなくてさー」なんて、他のSVさんにお話しされていらっしゃることもあって、ハラハラしていました、

ところが、ある日、私自身にフロア異動があり、1フロア下の階で、別の、事務系の対応もしている部署に配属になってみたら、
なんとらその方、その少しご高齢のオペレーターだった方が、事務専門として働いていらっしゃいました。

しかも既に、派遣ではなく契約社員という立場になられていらっしゃったのです。

電話対応ができないから事務対応にまわされた、ということなら契約社員という立場には昇格しません。
何かしら、その方を社員として雇用したい理由が、クライアントの会社には あった、ということでしょう。

なぜあの方が選ばれて社員になれたのか、
ここは是非理由を知りたいところですので、今後そのあたりは突っ込んで行きたいと思います。
今のところは理由はわかりませんが、
SVさんに嫌われても会社に好かれれば結果オーライ、という話でした。

前向きなひと2ー服装の規定

昨日から私の下に研修に入った前向きな新人の女性。

•服装がとても悪目立ちしていて好感が持てない。
•研修を受ける態度が一生懸命で好感が持てる。

と書きましたが、さてこの服装については、どのように指導したら良いのやら。印象が悪いのは確かなことなのですが、印象、という抽象的な表現では正しく伝わりません。

以前勤務していたコールセンターは、服装の規定はとてもハッキリしていました。
ジーンズはOKだがダメージはNG。裾のダメージはOKだが、裾以外のダメージはNG。膝や腿に少しでも破れがあるようなジーンズはアウトです。
上衣についても、腕は出して良いが肩出しはNG。背中や腹、臍出しも全てNGでした。
ビジネス感に著しく欠けることのなきよう、社会人として常識を持って、ということを、分かりやすく具体化した、ということなのでしょうが、ここまで細かく規定されていれば、指導するほうもされるほうも分かりやすいと思います。
ただし、学校の校則と同じで、微妙な隙間を突いた、違反ギリギリのところに挑んでくる方が必ず発生します。破れてはいないけど透けているパンツ、サンダルではないけれど下駄、のような。
もうこれは本末転倒。規則がどうこうではなく、自分で考えて社会人らしくしてくれ、と言いたくなります。
もうひとつ、校則でもありがちなのは、
髪の色が黒と茶色はOKだが極端な薄茶はNGとするという規定を読み、全体の0.5%程度の部分的な黄色は許容範囲じゃないですか?みたいな主張をする方。
OK、NG以前に、そもそも、そんなことを主張せず、本来の仕事を頑張っていただきたいところです。

ところで我がコールセンターに何かしら厳格な決まりがあるのかどうか?決まりがないと説明しづらいので、念のため確認してみました。

すると残念ながら規定はないとのこと。
「確かにグンマさん社会人らしくないというか、あれはちょっと目に毒なので、オウさんのほうで、うまいこと指導しといてください」
と言われました。
うまいこと指導…うまいこと…うーん…。そもそもこちらの常識とは大きく異なる常識を持っている方なので、あのような服装になっていらっしゃる訳で…。うまいこと、と言うのは、なんとなく空気感で、ということだから、同じ雰囲気の中でやんわり話して伝わる方への対処方法ではないかと…。

悩みすぎて、本日は指導できませんでした。
どなたかよいアイデアのある方を探してみたいと思います。
ではまた。

前向きなひと

フレッシュな新人さんの話です。

この方、初めていらっしゃった日から特徴的でした。

まずファッション。
今時流行りなのか、いや絶対に流行ってはいない、確かロリータファッションというのか、そちら方面に少し傾倒しているような装飾の多いびらびらのついたブラウス。そして、ピンクのミニスカート。冬らしい生地の厚いウール生地のような、毛玉まみれのピンクのミニスカート。ちょっとしゃがんだらパンツ丸見え必須のスカート丈。ハタチは過ぎていると聞いていましたが、相当若いいでたちでした。

そして、これはもう、老若男女誰しも視線が一点に集中してしまいそうな、大きなおっぱい。
ああ、ジャケットでもカーディガンでもなんでもいいから羽織っていただけないでしょうか。

とうとうこの方が、私の下に研修にいらっしゃいました。必死でこの方の顔面に視点を定め、それ以上下を見ないように、にっこり笑って、「オウ(仮)と申します、宜しくお願い致します」と挨拶してみました。

彼女はにっこり微笑み返し、「グンマ(仮)でぇす。わたしぃ、お客様に喜んでもらいたいのでぇ、がんばりまぁっすぅっ」

うーん微妙。全面的な好感は持てません。

ただし、可愛い‼︎と思うひともいるかもしれない…
とも思いました。

さて研修については極めて真面目。飲み込みの悪い部分は必ず質問してくれます。進みは悪いものの、一生懸命さは伝わってくるので、一歩一歩着実に、とこちらも丁寧に教えます。
質問はトンチンカンですが、何故か、ガッカリした気持ちにはなりません。

こんなに一生懸命頑張ってくれるなら、なんとか一人前にしてあげたいな…という気持ちになりました。

悪目立ちしている服装についても、実は、無知ゆえのいでたちなのかもしれません。明日やんわりと、話してみようかな…と思います。

ではまた。

何故かクビになるひと

今日のコールセンターはとても忙しかったです。
お正月三ヶ日が終わり、今日から本格的に平常業務にもどる方々が多いからなのでしょうか。

ところで今月も「今月いっぱいで辞めます」という方が発生しました。これから月末、期末にかけてまだまだ忙しくなっていくのに、なぜこの時期に??と 不思議に思います。

時々こういったことが起こるので、思い切って、辞める方に声をかけてみました。
「今月いっぱいで辞められるんですって?何か他に良い派遣先でもありましたか?あったら是非私にも教えていただきたいと思いまして…」
「私クビなんです。」
「えっ??」
「とても楽しそうに張り切ってお仕事されてたのになんで??」
「実は私…」

お客様が奥様の契約の件でとても怒っていたので、奥様の契約について勝手に案内して勝手に対応したそうです。通常、ご家族からの依頼の場合は、その方が本当にご家族様なのか確認し、SVさんにも確認をとった上でしか、色々なお話ができないのです。

きっと本当にご家族様だったのでしょうけれど、今の時代は個人情報保護の観点からも、家族と言われただけではご対応できないのが通例です。

あれだけ個人情報が云々と注意されているにもかかわらず、この勝手な対応には驚きましたが、その後が更にビックリ。

この件について、後日個室に呼び出されて、社員さんに事情をきかれたそうなのですが、対応を思い出しているうちに感情が高まって逆ギレ?してしまったそうなのです。

「だってすごい怒ってるから怖かったのに、誰も助けてくれなかったじゃないかー‼︎」
大声で泣いて地団駄踏んで、自分でも振り返ってみれば大人気なかったと仰ってました。

「そんなに怖かったのならお電話かわるので、次からすぐに教えてくださいね。気がつかなくてごめんなさいね。」と最終的には社員さんには言われて慰められて、気持ちが通じた‼︎分かってもらえた!と本人的には満足していたら、

翌日派遣会社から連絡があり、来月以降は契約できません。といわれたそうです。

一見大人に見えても、少しプレッシャーがかかった場面で落ち着きを無くして感情的になってしまう方は、敬遠されるのでしょうか。

ではまた。